lassiのブログ

考えたことを書きます。

Arte概念史

伊文学レポート掲載

はじめに
 現在、”アルテarte”というと「芸術」といった意味が主流である。実際、伊和辞典においても「芸術」という意味が一番目に載っている。しかし、その意味が現れるのは「芸術」という概念が生まれる18世紀以後であるはずだ。実際、第9回講義において16世紀はarte探求の時代だとあったが、そこでのarteは「わざ」という意味が主である。よって本レポートではarteという概念の意味の変遷について調査する。

続きを読む

ドイツロマン派の青と難破船

レポート再掲

はじめに
 ドイツ・ロマン主義の芸術運動の背景にはシェリングの哲学が大きく関わっていた。「難破船」は当時流行のテーマであり、かつ、ドイツロマン派において「青」は有限性を表す特別な色だと考えられていた。そこで、難破船というモチーフの流行は、「青色」が有限性を表しそれゆえ美しいという感性に関係しているだろうと考え、それについて検討したい。さらに、その感性の背景にシェリングの哲学が反映されていたのかを調査する。

続きを読む

2020/1/7 相聞とパストラーレ

過去に趣味で調べたものを掲載する。

『相聞I/パストラーレ』の標題設定意図について

 芸術作品は、文化と不可分である。そのため、音楽にせよ絵画にせよ、作品外の情報は作品鑑賞にとってしばしば必要となる。音楽演奏においてどの程度必要になってくるかという議論は今回はせず、千原英喜の音楽作品『良寛相聞』(2007)の初曲『相聞I/パストラーレ』になぜ「パストラーレ」という標題がつけられているかを考えたい。

続きを読む

2020/1/6 クーリヤッタムの衝撃

サンスクリット文学」講義にて、「クーリヤッタム」なるもののビデオを見た。(2001年にクーリヤッタムがユネスコ無形文化遺産に認定された際のNHKの特番らしい)

 

「クーリヤッタム」とは、南インド、ケーララ州に伝統的に伝わる演劇である。成立年代は不明だが、千年以上の歴史をもつとされている。

そして、これは古代インドのサンスクリット劇で唯一現存している演劇形態だという。

もともとはヒンドゥー寺院の中でのみ、奉納という形で上演されていたもので、しかも演者はある家系の中からのみ選ばれていた(現在は異なる※後述)。

 

続きを読む